一番勝率が高い選択できてますか?(※数学注意)
こんにちは!ポケモンカードの毎月新弾出るのに慣れてしまったのか11月が物寂しく感じているまつです。今回は確率のお話です、数学が苦手な方でも計算式に目を瞑ったら楽しめるかもしれません。あと高校数学の内容でもこうやって生かせる場面が来るかもしれないのでみんな勉強しようね(戒め)。
もくじ
Ⅰ ウルトラネクロズマデッキでダブドラを引く確率(プラターヌとシロナの比較)
Ⅱ ズガドーンGXデッキでビーストリングを引く確率(縦引きの枚数の比較)
Ⅲ 先ねがいぼし問題
Ⅳ 初手にサポートに触れるカードが来る確率
なぜこの記事を書こうと思ったか
最近エクストラバトルが流行しており、ふと疑問に思った。「手札に切りたくないカードあるからシロナ打ちたいけど、このターンダブドラ触るにはプラターヌ打った方が良い、、(ホロネク使い)ん、待てよ?
そもそもシロナとプラターヌの違いでダブドラ触れる確率ってどれくらい違うのだろうか??」
この疑問と共に、普段「最後◯◯が引けてたら勝ってた」と言っている人類(自分含め)が、果たして何%の確率を引いて負けたか(勝ったか)を認識するべきでは?と考えた。
公式
確率計算は高校数学で扱う余事象を使う(大学で数学やってないので数学は高校生レベル)。
山札が20枚あるとして、そこから7枚引き、2枚の解答札に触れられるかどうかを計算してみる。
まず山から7枚引く時の組み合わせは₂₀C₇
山から7枚引いて2枚の解答札に触れられない組み合わせは₂₀-₂C₇=₁₈C₇
よって2枚の解答札に触れられない確率は₁₈C₇/₂₀C₇
これの余事象を出すと1-₁₈C₇/₂₀C₇(=0.589....およそ59%)
この式を一般化する。山札の枚数をx、山から引く枚数をy、解答札の枚数をzとする。(x>y, x>z, x,y,z>0)
以上の条件から 1-(x-zCy/xCy)…Ⓐ
と表すことができる。
またシロナやジャッジマンなど手札を山札に戻す場合も同様である。
山札に戻す枚数をrとすると
1-(r₊x-zCy/r₊xCy)…Ⓑ
と表すことができる。これはⒶ式に当てはめる山札の枚数のところに山札に戻す枚数を足しただけである。
公式を各状況に当てはめてみた結果
自分がよく使用しているデッキで実際にありそうな状況に当てはめてみた。
Ⅰ ウルトラネクロズマデッキでダブドラを引く確率(プラターヌ博士とシロナの比較)
初ターンにダブドラを引きたいが手札にタンカを1枚握っている、、、山に戻したい、、、、という状況はよくある。その状態で手札にはシロナとプラターヌ博士をどちらも握っているものとする。
山札44枚、手札はシロナの他に3枚、ダブドラは山に4枚+パソ通を積んでいるものとすると、
プラターヌ博士を使用した場合はⒶ式より
1-₃₉C₇/₄₄C₇=0.5986....→およそ60%
シロナを使用した場合はⒷ式より
1-₄₂C₇/₄₇C₇=0.5115...→およそ51%
もちろんここから他のグッズで展開できるがそこについては計算が本当に面倒なので省略している。ただしそれを除いたとして2つのサポートを使用したときに10%近くダブドラを引く確率は変わる。これを多いと捉えるか少ないと捉えるかはそれぞれの個人とプラターヌで捨てるカード次第だが、十分考慮すべき確率といえる。
Ⅱ ズガドーンGXデッキのビーストリングが引ける確率(デデンネGXのみとデデンネGX+オドリドリGX)
デデンネGXで引ける枚数は6枚、オドリドリGXの特性で引ける枚数は3枚、普通に考えたら6枚ドローと9枚ドローの場合は確率1.5倍かな?と考えるかもしれない。
山札の枚数は30枚、ビーストリングの枚数は3枚とする。
デデンネGXのみ(6枚ドロー)の場合、Ⓐ式より
1-₂₇C₆/₃₀C₆=0.501…→およそ50%
1-₂₇C₉/₃₀C₉=0.672…→およそ67%
ちなみにデデンネGX+オドリドリGX+溶接工(12枚ドロー)の場合、Ⓐ式より
1-₂₇C₁₂/₃₀C₁₂=0.799…→およそ80%
山札の残り枚数にも因るが、かなり綺麗に1.5倍になるという結果になった。
50%の確率でビーリンが引けなかったのは運が悪かったで片付けて良いのだろうか。ズガドーンGXデッキにおけるオドリドリGXや溶接工、アーゴヨンGXなど縦引きするカードの必要性が非常に分かりやすい。
Ⅲ 先ねがいぼし問題
先にねがいぼし使うのか、先にサポート打つのかなど、ねがいぼしに関しては打つ順番が非常に重要になってくる。
今回は山に1枚しか残っていないグレートキャッチャーを引きに行くことを想定。山札は残り20枚、前にはエスケープボードの付いたジラーチ、手札はシロナを含めて3枚で、1枚のグレキャに触れれば勝てるものとする。ジラーチのねがいぼしと素引き以外の要素は考えないものとする(山圧縮できるかも、デデンネがあるかも、タンカからのオドリドリGXなど)が、ねがいぼしで引いたカードは消費できるものとする(ポケモンのどうぐ、スタジアムなど)。
ⅰねがいぼし→グレキャを引けなかったらシロナの場合
(1-₁₉C₅/₂₀C₅)+₁₉C₅/₂₀C₅(1-₂₀C₆/₂₁C₆)
(ねがいぼしで引く確率)+(ねがいぼしで引けない確率)×(シロナで引ける確率)
=1-(₁₉C₅・₂₀C₆)/(₂₀C₅・₂₁C₆)
=1-0.536…
=0.464→およそ46.4%
ⅱシロナ→グレキャを引けなかったらねがいぼしの場合
1-(₂₁C₆・₁₅C₅)/(₂₂C₆・₁₆C₅)
=1-0.5→50%
このように後ねがいぼしの方が解答札に触れられる確率が高くなることが分かる。もちろん他の事象が多く関わるためあくまで参考程度である。
それでは上と同じ条件で、グレキャに加えて山にグズマが1枚残っている場合はどうなるか。シロナを打つとグズマに触れても解答札にはならないが、先ねがいぼしの場合は解答札が1枚増えることになる。
ⅲねがいぼし→グズマかグレキャを引けなかったらシロナの場合
1-(₁₈C₅・₂₀C₆)/(₂₀C₅・₂₁C₆)
=1-0.395…
=0.605…→およそ60.5%
このようにグズマが1枚残っているだけで先ねがいぼしの解答札に触れられる確率は飛躍的に上昇する。最後の山に欲しいカードを残しておく、何が残っているか把握しておく事は勝率に非常に深く関係していることが良く分かる。
ついでに山にカプ・テテフGXとボールが残っている場合も考えてみる。同じ条件で山にはテテフGXが1枚、テテフGXに触れられるボールが3枚残っているとする。
ⅳ ねがいぼし→ボールかグズマかグレキャを引けなかったらシロナの場合
1-(₁₅C₅・₂₀C₆)/(₂₀C₅・₂₁C₆)
=1-0.138…
=0.862…→およそ86%
ねがいぼしで触れる確率で8割程度あり、こちらもテテフGXを最後まで温存しておく重要さが非常に分かりやすい。
またⅢと同じ条件(グズマグレキャ1枚ずつ)で、山札が15枚に圧縮されている場合を考える。
ⅴ ねがいぼし→グズマかグレキャを引けなかったらシロナの場合(山札20→15枚)
1-(₁₃C₅・₁₅C₆)/(₁₅C₅・₁₆C₆)
=1-0.268…
=0.732…→およそ73.2%
山札が少ない分当たる確率は高くなる。しかし山札を少なくするよりもカプ・テテフGXを残しておく方が解答札を引ける確率は高くなりやすい。
Ⅳ 初手にサポートに触れるカードが来る確率
「初手事故った~」という言葉はジムバトで1回は聞く、もちろん自分も言う。しかしあまりにも初手事故が多い場合、それは構築段階でのミスである可能性も十分に高い。下図では初手に解答札が来る確率をグラフにしている。
解答札の枚数はリーリエが4枚入っているなら4枚、シロナが2枚入っているなら2枚、さらにテテフGXやハイパーボール、ミステリートレジャーが入っているならその分追加する、といった感じで考えると良い。通常のデッキであれば10枚は超えてくるはずだ。
計算式は
「60枚の中から8枚選び、初手に欲しいカード(Z枚)が1枚でも手札に来る確率」
と考え、
1-₆₀-zC₈/₆₀C₈
で考える。初手テテフスタートでハイパーボールが解答札にならない、ジラーチスタートだからもうちょっと確率高い、リーリエが来すぎてドローできないから解答札になっていないなどの要素は全て考えないものとする。
※値が1つずれていたため修正しました、大方の理論は間違ってないです。(10/21修正)
解答札4枚で来る確率は44%、リーリエやウツギを4投するだけでは初手で触れないことが分かる。
解答札7枚で来る確率が65%、つまりこれは3回に1回は事故ることを意味する。
解答札10枚では79%、これは5回に1回は事故ると考えて良い。
解答札13枚では88%、8、9回に1回は事故るということになる。この辺りからはかなり安定したデッキといえる。
16枚の時は93%、19枚の時は96%。ここまで来ると大型大会クラスでも滅多に事故は起きないだろうが、展開札にカードを割きすぎて中盤以降のバトルが不利になる可能性が示唆される。
また5回に1回は~や、9回に1回は~とは言っているが、もちろん5回やれば必ず事故るというわけではない。今回は数戦やって1回も事故らない確率も導出してみた。
今回は(初手に解答札が来る)事象がn回連続で起きることの余事象、つまり1回は初手に解答札が来ない事象が存在すると考え、
1-(₆₀-zC₈/₆₀C₈)ⁿ
で計算する。10枚、13枚、16枚の確率については目盛りを表示している。
3戦というと8人ジムバトル程度であるが、しっかりと解答札を積んでいればそこまで心配する数字ではない。13枚の時に32%、16枚の時に19%と、事故ったら運が悪かったと言える範疇に収まっているだろう。
シティリーグの予選や自主大会、大きめのジムバトルなどで多い5戦だが、13枚積んでいたら48%と、ほぼ1/2の確率で事故るか事故らないかというラインになる。16枚積んだら30%と、3大会中2大会は初手事故無しで乗り切れそうな数字である。
10戦と言うとCLくらい大きな大会であるが、グラフから見て分かるように10戦やって1戦も初手事故を起こさないようにするのはかなり非現実的である。大型大会では1戦は事故で落として良いとよく言うが、それは1戦も落とさないようにデッキ構築をすると中盤以降欲しいカードを削りすぎる事になるとも考えられる。
まとめ
このように感覚的にこちらの確率が高いというのは分かっていても、どのくらい確率が変動するのか、といった事は知らないということは多々ある。 デッキの回りが悪い、欲しいカードが引けないという方はこれを期にデッキ構築&プレイングを見直してみるのも良いかもしれない。しかし、これはあくまで確率であって、対戦相手のデッキやデッキの熟練度、プレイングなど他の要素が非常に大事なのもポケモンカードの面白いところでもある。ポケモンカードを楽しくプレイし、その上でたまには確率に頼ってみるのも良いのではないだろうか。
最後に自分が調べたい確率が出せるシートを置いておきます。初手解答札の確率も全て載せてますので気になる方は活用してみてください。
Combinationを求める際にお世話になったサイト↓
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228812
新シリーズが非常に楽しみです!
それでは( ..)φメモメモ